住職のコラム (HP東善寺) ●● お参りと見物 の違い |
---|
お参りと見物 ――言葉一つで褒ほめられます―― |
---|
参拝者がやってきてよくこう言います。 「すみません、小栗上野介のお墓を見せてください」 「はいどうぞ、でも・・・、見るのではなく、お参りして下さい」 と答えると、どなたも「へえ?」という顔をなさる。 |
▲小栗父子の墓 |
「お参りと見るのでは意味が違うでしょ?」 これですぐわかる人もいるが、 「どう違うんですか」 と聞く若い人もいます。 「お墓はお参りするところで、見る物じゃないんです」 だからってどこが違うのか――まだ呑み込めない顔をしている。 「お参りは手を合わせます。ただ見るだけなら手を合わせないでしょ」 やっと、ああそうか、という雰囲気が見えてくる。 「それに――、家にお帰りになって『小栗上野介のお墓を見てきた』と言っても家の人はフーン、で終わり。『お参りしてきた』と言えば、えらいねえ、よく行ってきたね、と褒(ほ)めてくれますよ。褒められる言葉を使いましょう」 「ああ、そういうことですか!ほんとにそうですね!」 今どきの若者はよくわかると素直に反応してくれる。さっそく「お参り、お参り…」といいながらお墓へ上がってゆきました。 |
関連ページ 小栗上野介父子主従の墓(東善寺境内) |